所有権

空き家買取は5ステップで完結!メリットや注意点を徹底解説 

空き家買取は5ステップで完結

遠方に住んでいるため空き家の管理や維持が難しく、速やかに処分したいと悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
空き家を放置すれば資産価値が下がり、さらには防犯上のリスクも高まります。
そこでこの記事では「空き家買取の基本的な流れ」「空き家買取のメリットや注意点」「信頼できる業者の選び方」について詳しく解説します。
空き家をスムーズに売却したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

空き家を放置すれば「責任」を問われる

空き家を放置することで、多くのリスクが伴います。主なリスクは以下の3つです。

  • ●建物倒壊の恐れがある
  • ●建物の維持管理にお金がかかる
  • ●周辺の住環境に影響する

人の手が入らない空き家は老朽化がすすむため、破損や倒壊の恐れがあります。
そのため、近隣住民や通行人に被害を及ぼすリスクが高まります。
さらに、空き家には維持管理費用が必要です。固定資産税や修繕費用が継続的に発生し、経済的な負担が増えます。
空き家の管理に費用をかけずに放置すると修繕が困難になり、解体費用に多額の費用が必要です。
手入れされていない空き家は雑草が生い茂るため、害虫や小動物が繁殖しやすくなります。
さらに、空き家が増えることで地域全体の不動産価値が下がり、住環境が悪化します。
「空き家等対策の推進に関する特別措置法※」により懸念されるのは、最終的に空き家の所有者が大きな責任を問われる恐れがあることです。
固定資産税の軽減措置を受けられなくなるだけでなく、適切な管理が行われない場合には改善するよう、行政から指導されます。
指導や勧告があっても改善しなければ50万円の過料に処されてしまい、最終的には行政により強制的に建物を壊され、その費用が所有者に請求されるため注意が必要です。
空き家の管理や売却を専門とする業者に早めに相談し、適切な対策を講じることが重要です。

※空き家等対策の推進に関する特別措置法は、空き家の増加に伴う問題を解決するために制定された法律のこと

参考資料:東京都住宅政策本部|東京都空き家情報サイト

東京都の空き家数は約90万戸もある

東京都の空き家問題は深刻で、2023年時点での数は約90万戸にのぼります。この数字は、日本全国の空き家数の中でトップの数字です。

引用:総務省|令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果

東京都の空き家に関するデータ

指標 東京都 全国
空き家数 約90万戸 約900万戸
空き家率 約11% 約13.8%

参考資料:東京都住宅政策本部|東京都空き家情報サイト

空き家問題が深刻になっている主な原因として、以下の点が挙げられます。

  • ●少子高齢化
  • ●人口減少
  • ●相続問題

人口減少により住宅需要が減少し、空き家が増加します。
特に高齢者が亡くなった後、家が相続されずに放置されるケースが多いです。
また、若い世代が都市部に移住することで相続された物件が管理されずに放置されることが多く、空き家の増加に影響を与えています。

空き家の買取とは?

空き家の買取とは、不動産会社が空き家を直接購入する方法です。
売却までの期間が短く、仲介手数料がかからない点が主なメリットです。また、リフォームや解体の手間も省けます。
一方で、買取価格は市場価格より低くなることが一般的であり、全ての物件が買取対象になるわけではありません。
不動産会社による買取審査があるため、物件の状態や立地条件によっては買取が難しい場合もあります。
とはいえ、空き家管理が困難な方や維持費をかけたくない方にとっては迅速に現金化できる可能性が高いため、おすすめの方法です。

空き家を「買取」と「仲介」で売却する違い

買取と仲介の大きな違いは「売却スピード」と「価格」です。
「買取」の場合、売却価格は市場価格より低くなる傾向がありますが、不動産会社が直接購入するため売却期間が短く、リフォームや解体の手間も省けるため迅速に現金化できます。
一方「仲介」は、不動産会社が買い手を探す方法です。広い範囲で買い手を見つけることができ、市場価格に近い価格で売却できる可能性があります。
ただし、売却までの期間が長くなることがあるため、現金化までに時間がかかり、仲介手数料やリフォームなどの費用が発生するケースもあります。
それぞれのメリット・デメリットを比較し、状況に応じて最適な方法を選ぶことが重要です。

空き家買取のメリット5選

空き家買取のメリットには、主に以下の5つがあります。特に、買取業者に買い取ってもらうことで迅速かつ効率的に売却が進む点が魅力です。

  • ●短時間で現金化
  • ●仲介手数料不要
  • ●リフォーム・解体が不要
  • ●税金が安くなる
  • ●ランニングコストの削減

ここでは、詳しく解説します。

メリット1. 短期間で現金化できる

空き家の買取では、買取業者が直接購入するため、売却手続きが迅速に進みます。
これにより、通常の仲介を通じた売却よりも短期間で現金化が可能です。
急な資金が必要な場合や、すぐに空き家を手放したいときに便利です。
短期間での現金化により、経済的な不安を早期に解消してくれます。

メリット2. 仲介手数料がかからない

買取では仲介手数料が発生しないため、売却に必要なコストを抑えられます。
一般的に、不動産会社が仲介に入って買い手を探す場合の取引では、成功報酬として仲介手数料の支払いが必要です。
しかし買取では、不動産会社が買主となる「直接取引」になるため、仲介手数料は必要ありません。仲介手数料の支払いがないことで手元に残る金額が増えるため、経済的なメリットを受けられます。

メリット3. リフォームや解体の手間が省ける

買取業者は、空き家を現状のままで購入するケースが多いため、リフォームや解体の手間が省けます。
通常の売却では、購入希望者に対して物件を魅力的に見せるためにリフォームしたり、すぐに建て替えができるように解体したりする必要がありますが、買取では必要ありません。
リフォームや解体にかかる時間と費用面を節約できるため「せっかく時間とお金をかけたのにまだ売れない」という、心理的なストレスが軽減されます。

メリット4. 税金が安くなることもある

空き家の売却によって、一定の条件を満たすことで税金が安くなる場合があります。例えば、以下の例です。

控除・特例 概要 条件
特定空き家に係る譲渡所得の特別控除 相続した空き家を売却する際、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる ・昭和56年5月31日以前に建築された住宅であること
・売却前に耐震改修を行うか、取り壊して土地として売却すること
・相続開始から3年を経過する年の12月31日までに売却すること
・売却代金が1億円以下であること
・親族などの特別な関係のある人に対して売却しないことなど
小規模宅地等の特例 被相続人が住んでいた住宅用地を相続した場合、一定の条件を満たせば相続税の評価額を最大80%減額できる ・被相続人が亡くなる直前まで住んでいたこと
・相続人が引き続きその住宅に居住すること
・対象となる土地の面積は330㎡まで

参考:国税庁|No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
参考:国税庁|No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)

長期間空き家として放置されていた場合や、特定の自治体が提供する税制優遇措置を利用することで、税金の負担が軽減されることがあります。

メリット5. 早い段階でランニングコストを減らせる

空き家の維持には、さまざまなランニングコストがかかります。買取を利用することで、ランニングコストを早期に削減することが可能です。
例えば、空き家を所有している限り、毎年固定資産税を支払う必要があります。
特に住宅用地の特例が適用されない場合、税額が高くなることがあるため、売却によって早めに負担を解消することが重要です。
また、空き家であっても、最低限の光熱費や水道代がかかることがあります。
特に、防犯や防湿のために通電している場合や、庭の水やりなどで水道を使用している場合、毎月のランニングコストが発生します。
空き家を早い段階で売却することで、固定資産税、維持管理費、光熱費や水道代などのランニングコストを大幅に削減できます。

空き家買取に関する3つの注意点

空き家の買取に関する注意点を押さえることで、トラブルになりにくいスムーズな取引が可能になります。ここでは、注意すべき3つのポイントを解説します。

買取価格の「相場」に注意する

空き家の買取価格は、不動産市場の動向や物件の状態によって大きく異なります。
市場価格を把握するためには、複数の買取業者に査定を依頼し、比較することが重要です。
相場を知らないまま交渉を進めると、適正価格で売却できないリスクがあります。
まずは市場の相場を把握し、適正価格での取引を目指しましょう。

買取業者の選び方に注意する

信頼できる買取業者を選ぶためには、業者の実績や口コミ、評判をチェックすることが大切です。
また、業者の専門性や提供するサービス内容を確認し、自分のニーズに合った業者を選びましょう。適切な業者を選ぶことで、トラブルを未然に防ぐことができます。

売買契約の内容に注意する

売買契約書には、取引条件や支払い方法、引き渡し時期などが明記されています。内容をしっかりと確認し、不明点があれば必ず質問しましょう。
また、契約書には法的な拘束力があるため、理解できない部分がある場合は専門家に相談することをお勧めします。契約内容を十分に理解し、納得した上で契約を結ぶことが大切です。

信頼できる空き家買取業者を選ぶ3つのポイント

空き家の買取を依頼する際には、信頼できる買取業者を選ぶことが重要です。
適切な業者を選ぶことで、スムーズな取引が期待でき、トラブルを未然に防ぐことができます。ここでは、信頼できる業者を選ぶための3つのポイントを解説します。

業者の実績を確認する

実績が豊富な業者は、多くの取引を通じて経験を積んでおり、トラブル対応もスムーズです。実績がある業者は、その分多くの顧客から信頼を得ているため、安心して取引を任せられます。
例えば、業者のホームページで過去の取引事例や顧客の声を確認できます。
また、業界ランキングや専門雑誌の記事を参考にすると、客観的な評価を得ることが可能です。友人や知人の紹介も信頼できる情報源となるため、口コミを参考にすることも有効です。

複数の業者に査定を依頼する

複数の買取業者に査定を依頼することで、適正な買取価格を把握できます。査定額の比較を行うことで、業者ごとの評価の違いを理解し、最適な業者を選ぶ助けになります。
例えば、一社だけの査定では相場を把握しにくいですが、複数の買取業者に依頼することで市場価格の目安が分かります。
また、買取業者の対応やサービス内容の比較ができ、信頼性の高い業者を選ぶための重要なポイントとなります。
査定を依頼する際には、オンライン査定や現地査定を活用し、できるだけ多くの情報を収集することが重要です。

口コミや評判をチェックする

口コミや評判をチェックすることで、業者の信頼性を確認できます。実際に利用した人の声を参考にすることで、業者のサービスや対応の質を把握できます。
例えば、口コミサイトやSNSなどで評判を調べることが有効です。
特に、具体的な体験談や評価は、業者選びの重要な参考になります。
ただし、口コミ情報は偏りがある場合もあるため、複数の情報源から総合的に判断することが大切です。
また、業者の公式サイトに掲載されているお客様の声も参考になりますが、あくまで一つの参考材料として考え、他の情報とも照らし合わせることが重要です。

空き家買取の流れ5ステップ

ここでは、空き家買取の基本的な流れを6つのステップに分けて解説します。空き家を買取の正しいステップを踏むことで、スムーズに進めることが可能です。

ステップ1. 買取相談と査定依頼

最初に、信頼できる買取業者に相談し、空き家の査定を依頼します。複数の買取業者に査定を依頼し比較することで、より適正な価格を把握できます。
査定方法には、オンラインで簡易的に行う「机上査定」と、実際の空き家を確認して査定する「訪問査定」があります。
机上査定は手軽ですぐに査定結果が出ますが、訪問査定の方がより正確な評価が得られるためおすすめです。

ステップ2. 買取価格の提示と交渉

査定が完了したら、業者から買取価格の提示があります。提示された価格に納得できない場合は、交渉してみるのも良いでしょう。
交渉するためには、他の業者の査定額を参考にし、価格の見直しを依頼することが効果的です。また、物件の特徴や周辺環境の価値をアピールすることも大切です。
納得できる価格が提示されるまで、複数の業者と交渉を続けてみましょう。

ステップ3. 売買契約の締結

買取価格に同意したら、次は売買契約の締結です。
売買契約書には、取引の詳細や条件が明記されています。内容をしっかりと確認し、不明点があれば必ず質問しましょう。
契約書は法的拘束力を持つため、理解できない部分がある場合は専門家に相談することをおすすめします。
特に、契約条件、支払い方法、引き渡し時期などは詳細に確認することが必要です。

ステップ4. 必要書類の準備と提出

売買契約が締結されたら、所有権移転のための必要書類を準備して提出します。
一般的な必要書類には、登記簿謄本、身分証明書、印鑑証明書などがあります。これらの書類は、物件の所有権や取引の正当性を証明するために必要です。
書類の準備がスムーズに進むことで、次のステップに速やかに移行できます。書類の不備がないように、事前にリストを確認しておくと安心です。

ステップ5. 物件の引き渡し

書類が揃ったら、物件の引き渡しを行います。
引き渡し時には、物件の鍵や建物図面などの関連書類を業者に渡しましょう。
また、必要に応じて現地確認を行うこともあります。引き渡しが完了すると、正式に所有権が業者に移ります。
引き渡しの際には、立会いのもとで物件の状態を確認し、問題がないことを確認することが大切です。
なお、売却後は、税務手続きを忘れてはいけません。売却した翌年の2月16日〜3月15日までの間に確定申告が必要となります。
特に、売却益に対する税金の計算や、減免措置の適用など、専門的な知識が求められます。
不動産会社や税理士に相談することで、正確な手続きを行い、トラブルを避けることができます。必要に応じて、納税の手続きを忘れずに行いましょう。

空き家のスムーズな買取を成功させる重要なコツ

空き家の買取を成功させるためには、業者選びが最も重要です。業者を選ぶときのポイントは、以下のとおりです。

  • ●実績が豊富か
  • ●公正な価格で取引できるか
  • ●口コミや評判が良いか

空き家を売るときは「空き家買取専門」の業者に相談するのがおすすめです。
空き家の特徴や市場の動きをよく知っているため、早くて適正な価格で買取できるケースが多いといえます。
また、業界歴が多い会社は手続きがスムーズで、問題が起きたときもすぐに対応してくれます。
市場の価格をよく知っているので、公正な価格で取引ができます。
さらに、口コミや評判により実際にその業者を利用した人の評価をチェックします。
売却後の税務相談や確定申告のサポートなどができる業者がおすすめです。

まとめ

空き家の買取は、多くのメリットを持ちながらも、注意点や準備が必要です。短期間で現金化でき、仲介手数料がかからないなどのメリットを享受するためには、適切な業者選びや相場の確認が欠かせません。
特に、実績豊富な専門業者に相談することで、適正な評価方法や買取のプロセスについて詳しいアドバイスを受けることができます。

株式会社マーキュリーなら、豊富な経験と実績を持つ専門家が丁寧に対応し、戸建て・アパート・マンション・賃貸併用住宅・現況リフォームなど、多岐にわたる事業が可能。
不動産として、どの事業が最有効利用ができるのかを考え提案いたします。
あなたのニーズに合わせた最適な買取価格を提案いたします。
ぜひ一度、株式会社マーキュリーへご相談ください。